偏光素子(ジョーンズ行列)
July 09, 2022
偏光子や波長板による偏光状態の変更はジョーンズ行列によって一般に、
と表せます。
回転行列
最初に回転行列だけ定義しておきます。軸上の点を回転させるには、回転行列を用いて、
と表せます。よって電場も同じく、
となります。
偏光子、検光子
偏光子を通る光は透過軸に沿った直線変更になるため、透過軸が、軸のみ透過させる行列
を用いて、
と表すことが出来ます。はの逆回転です。よって軸から右回りに回転した偏光子のジョーンズ行列は
となります。 Pythonで実装してみます。x軸方向に偏向面をもつ電場を用意して、検光子の角度を変えて、通り抜けてきた光の強度をプロットしてみます。
E_in = np.array([1, 0]).reshape([-1,1]) * np.exp(1.0j) # 電場の列ベクトル
theta = np.linspace(-np.pi, np.pi, 100) # 検光子の角度
T_theta = np.array([[np.cos(theta)**2, np.sin(2*theta)/2],
[np.sin(2*theta)/2, np.sin(theta)**2]]) # 検光子のジョーンズ行列
E_out = []
for i in range(len(theta)):
E_out.append(T_theta[:,:,i] @ E_in) # 各角度ごとにジョーンズ行列をE_inに作用
E_out = np.array(E_out)
I = np.abs(E_out[:, 0, 0]) **2 + np.abs(E_out[:, 1, 0])**2 # 電場から光強度へ
# プロット
plt.plot(theta, I)
plt.xticks(np.arange(-np.pi, np.pi+0.1, np.pi/2), [r"$-\pi$", r"$-\pi/2$", "0", r"$\pi/2$", r"$\pi$"])
plt.xlabel("$\\theta$")
plt.ylabel("Intensity")
plt.show()
で最大となり、偏向面と直角になるで光強度が0となることがわかります。
波長板
軸にfast軸をもつ波長板に置いて、位相をだけ進める行列は
として表せます。この波長板が軸からだけ傾いて入れば、波長板を通過する電場は次のように表せます。
よってfast軸が軸から右回りに傾いて、fast軸をだけ早める波長板のジョーンズ行列は
となります。